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「おい海野、探すってお前何の手がかりもないのに無理だろ?」
「心ちゃん、大事なのは気持ちだよ」
「いやいや、そういう問題じゃねーだろ……」
やっぱり俺、コイツ苦手だ……。
「じゃあとりあえず学校に戻って作戦会議よ!」
「なっちゃんに賛成じゃ!」
「それじゃあ学校に戻ろー♪」
そう言って海野は人形を抱き抱えて、先公と山岡と共に学校に向かって歩き出した。
つーか、先公と山岡までやる気満々かよ。
はぁ、めんどくせー……。
そんな事を考えながらも、俺は3人の後を追った。
「とりあえず隣町から順に探しに行こうよ!」
「さすがに今日は無理じゃろ。もうほとんど夜じゃし」
「それじゃあ明日の朝から4人で唯菜ちゃんの両親探しに行くわよ!」
学校に帰ってきて会議を初めてから早1時間。
何やら話はめんどくせー方向に向かっている。
てか明日の授業はどうすんだよ先公……。
「ちょっと心一!アンタ真面目に聞いてるの?」
「えっ?あぁ、一応な」
先公に急に質問されて、俺は少し慌てながらも落ち着いて返答した。
「明日7時から隣町で唯菜ちゃんの両親探し!遅刻したら退学だからね!」
「んなっ!?無茶苦茶じゃねーかクソ教師!強制かよ!」
俺はそう言って反抗した。
確かに唯菜は可哀想だとは思うが、正直そこまでしてやる義理はない。
だが、このままでは俺はこのドS教師の権力の前に屈するしか道がない。
しかし、まだ回避する方法はある!
「あっ!今思い出した!その人形東京の知り合いのオバサンの家のだ!だから俺が返しとくよ!なっ?」
俺は軽はずみで、適当な嘘をついてしまった。
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