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「ホントに!?よかった~♪」
「何じゃ心一、そんな大事な事は早く思い出せよ~」
「とにかくよかったわね!さぁ皆、それじゃあ解散よ!」
とりあえずこれで明日は隣町に行かなくてすむみたいだな。
てかお前ら、何で信じるんだよ………。
「じゃあ心ちゃん、唯菜ちゃんをよろしくね♪」
「えっ?あぁ……おぅ」
俺が元気なく返事をすると、海野は人形に宿っている唯菜に笑いかけた。
つっても、海野と手ぇ繋いでないから今の俺には唯菜の姿は見えないが。
「じゃーね心ちゃん♪唯菜ちゃん♪」
「早く両親の所に帰してあげるのよ心一」
「それじゃあの~」
そう言って海野達は、それぞれの家の方へと帰って行った。
俺は疲れた顔をしながら手に持ってる人形を見た。
《俺は悪い事をしたのか?いや、違う。探したって見つかる訳がなかったんだ。無駄に期待させない方が唯菜の為なんだ!》
俺は自分の嘘を正当化させるように自分に言い聞かせると、門の所に停めてあるババチャリの元へと向かった。
「随分と遅かったのぅ心一」
ババチャリに股がって人形をカゴに入れるなり、婆ちゃんはいきなり話しかけてきた。
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