幼い神様

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「唯菜ちゃんちゃんとパパとママの所に戻れてよかったね~♪」 「あぁ、そうだな」 唯菜の宿った人形を無事両親に返した俺は、海野とそんな会話をしながらババチャリに向かって歩いていた。 「まぁアレだな。全部海野のおかげだよ」 「えっ?そんな事ないよ!」 「ここまで来れたのも、親に唯菜の姿見せて説得してくれたのも全部海野のおかげだ。俺はただババチャリを漕いだだけだ。何も出来なかったよ」 俺はそう言って、スタスタと先に歩いて行ってババチャリに触れた。 「心ちゃんは何もしてなくなんかないよ?」 海野はそう言って俺を気遣ってくれた。 何で海野は誰に対してもこんなに優しいんだろうか? 無愛想で嘘つきな上に生意気な俺にまで優しくしてくれるんだろうか? 俺は素直に、そんな海野の事を羨ましいと思った。 「……別に励ましてくんなくてもいいよ。自分がそんな出来た人間じゃない事は、自分が一番よくわかってっから」 「心一、お前何か勘違いしてないかぇ?」 俺の言葉に反応して、ババチャリのベルの上でお茶をすすっている婆ちゃんがそう言ってきた。 「勘違い?何が?」 「アタシが叶えたのは心一、お前の願いじゃよ」 「………はぁ?」 俺には、婆ちゃんの言葉の意味がすぐにはわからなかった。
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