七夕の願い

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と言う訳で、俺達4人はいい歳こいて短冊に願い事を書き始めた。 てか授業しろよ駄目教師………。 さて、俺の願い事だが、書く事は決まっている。 《やっぱ願いは『東京に帰りたい』だな》 そう思った俺は、水色の紙の短冊に『東京に帰りたい』と書いた。 さて、残り3人は何を願ったんだろうか? とりあえず俺は右隣にいた官九郎の短冊を覗きこんでみた。 【マンボウを釣りたい】 【クジラを釣りたい】 【海底遺跡を釣りたい】 とりあえずコイツが大物を釣りたいという事はよーくわかった。 次に俺は先公の短冊を覗きこんでみた。 【彼氏が欲しい】 【ブランド物が欲しい】 【旅行がしたい】 何というか、先公もそこらにいる20代独身女性と変わらないんだなと思った。 続いて俺は雨音の短冊を覗きこんでみた。 雨音の事だから、俺はてっきり馬鹿みたいな願いを書いてるのだと思った。 だが、 【なっちゃんが幸せになりますように】 【官ちゃんが幸せになりますように】 【心ちゃんが幸せになりますように】 雨音はひっそりと俺達の幸せを願ってくれていた。 唯菜の時といい、雨音は人の事ばかり気にかけている。 正直、少し見習わなきゃなと思った。 「あっ!心ちゃん!覗いちゃ駄目~!!」 「いやっ、見てない見てない」 俺はそう言って誤魔化した。 『見た』と言ったら恥ずかしがってめんどくさくなりそうだったしな。
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