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そんなこんなで夏との言い争いが一段落した所で、俺は自分の席についた。
「さぁーて皆、今日は何して遊ぶ?」
教卓に立って、夏が俺達にそう尋ねてきた。
つーか、今ハッキリと『遊ぶ』って言いやがったぞこの教師……。
「なっちゃん!釣りじゃ釣りじゃー!!」
官九郎はそう言って、自慢の釣竿をブンブンと振った。
「またぁ?一昨日行ったばかりじゃないの。他に何かないのー?」
「はいはーい♪」
続いて雨音が元気にそう言って立ち上がった。
「私ね、カブトムシが採りたーい♪」
「え~。私虫はあまり好きじゃないんだけど……」
「虫より魚じゃろ!なぁ心一?」
「別に俺はどっちでも構わねーよ」
俺は適当に官九郎にそう言って、鞄に入れてきていたウチワで自分をパタパタと扇いだ。
結局話し合いの結果雨音の意見が通ったようで、俺達は1人ずつ虫取り網と虫籠を持って校舎を後にした。
よく考えたら、虫取りなんて小学生以来だな……。
この村はそこらじゅうが森なので、俺達はすぐに虫が沢山いそうな森の中に到着した。
「今日は魚の変わりに虫を取り巻くるぞー!」
官九郎はそう言って、虫取り網を振り回しながら森の奥に突入していった。
つーか、官九郎は釣竿のみならず虫取り網もよく似合うなぁ……。
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