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その後、俺は3人から弁当を分けて貰ってなんとか昼をしのいだ。
玉ねぎばかり食わされた気もするが……。
そして昼からは結局犬と遊んで過ごし、あっという間に夕方になってしまった。
「楽しかったねーワンちゃん♪」
雨音がそう言うと、犬は嬉しそうに鳴いた。
「そういえば、まだ名前決めてなかったのぅ!」
「つーかまずコイツ、オスとメスどっちなんだ?」
「メスよ。付いてなかったし」
俺の質問に夏が平然とそう答えた。
「夏さぁ、一応女なんだから『付いてなかった』とかもっと恥じらいを持って言えよ。だから彼氏できねぇんだよ」
「うっ、うるさいわね!余計なお世話よ!!」
そう言って顔を赤くした夏に、俺は5発程頭を殴られた。
やっぱりコイツは体罰教師だ……。
「いてて……ったく。んで、名前はどうすんだ?」
「はいはーい♪『雨音2号』がいい♪」
雨音が元気に手を上げてそう言った。
つーか、どんなネーミングセンスしてんだよコイツは……。
「それは呼びにくいだろ雨音」
「じゃあズバリ『釣吉』はどうじゃ?」
続いて官九郎がそう言ってきた。
コイツはとことん『釣り』に絡めるな。
てかメスだっつーの!
「何でも釣りに絡めすぎた官九郎。あとそれオスの名前だし」
「そういう心一は何かいい名前がある訳?」
「えっ?」
突然夏にそう言われて、俺は思わず顔を引き吊らせてしまった。
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