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結局俺はその後、泥まみれになった体を引きずって家に着いた。
さて、ここからが問題だな。ナナを飼っていいのかどうか、親に聞かなきゃなんねぇ。
まぁ、俺は別に飼いたくなんかねーから、駄目なら駄目でいいんだけどな。
そんな事を思いながら俺は一旦ナナを繋いでいる紐を外の塀にくくりつけておいて、家の中に入った。
「なぁ親父、お袋」
「あら心一、遅かったわね」
「またあのカワイコちゃんとイチャイチャしてたのか?若いなぁハハハ!」
親父はお袋の料理を手伝いながら、そう言って俺をおちょくってきた。
普段なら何か言い返すところだが、今回は他に優先すべき事があるので、俺は喉まで出かかった言葉をグッと飲み込んだ。
「あっ、あのさぁ、犬拾っちまったんだけど、やっぱ飼うのは駄目だよな?」
『別にいいよ』
「やっぱ駄目だよな。うんうん…………っていいのかよ!?」
両親が揃って答えた意外な返答に、俺は見事なノリツッコミをしてしまった。
「でっ、でもさぁ、餌とか散歩とか大変だぞ?本当にいいのか?」
「散歩は心一がするんだから問題ないでしょ。餌はご飯のあまりでいいし」
お袋は笑顔でそう答えた。
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