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「なんだ心一その反応は?飼いたかったんじゃないのか?」
親父にそう言われて、俺は何と答えたらいいのか迷った。
元々雨音達に無理矢理押し付けられたようなもんだし、正直俺みたいなのがちゃんとナナの世話を出来るのか不安だ。
でも、小さい時に俺は凄く犬が飼いたかったのを覚えている。
そう言えば捨てられている仔犬を拾って帰り、親父に酷く叱られて泣きながら元の場所に返した事があったっけ………。
「心一、飼うのか?飼わないのか?」
「小さい時は駄目って言ったクセに今はいいのかよ?」
「あの頃のお前には命を育てる大切さがよくわかっていなかっただろう。でも今は違うはずだ。そうだろ心一?」
親父はそう言って、真剣な目で俺を見てきた。
「……わかった。俺が責任を持って飼うよ」
「よく言った!じゃあ俺が明日犬小屋作ってやるからな!じゃあ早速犬に会いに行こう母さん!」
「そうねお父さん!」
親父とお袋はそう言って、子供のように俺の横を駆けていった。
………お前らもメチャクチャ飼いたかったんじゃねぇかよ畜生!
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