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後ろから祥がやってくる。
「沙羅!なんで…」
祥が聞くと沙羅はすかさず答えた。
「…ごめん。
祥が歩いてるのが見えて気になっちゃったんだ。」
そうあれから瑞希と帰ることにしていたが、
祥が一人眉間に皺を寄せたまま歩いているのを見て気になり
後を追い掛けてきたのだった。
沙羅は答えた後、良輔に視線を向ける。
目が合い良輔は、困ったような顔をしていた。
「……よかったね。」
良輔が辛そうな笑顔で沙羅に呟くと、
沙羅は頷いた。
「…うん。」
…ズキン……
良輔は胸が締め付けられたようだったが
必死に笑顔をつくりながら沙羅に近づき囁いた。
「…沙羅……大好きだったよ。」
そう囁くと良輔は沙羅から離れた。
祥が沙羅の傍に駆け寄り、そっと沙羅を抱きしめる。
良輔はそんな二人を見てクスっと笑うと、
「…悪かったな。」
と呟き、二人を残し歩き出した。
沙羅と祥は去っていく良輔を見つめていた……
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