ep02 矛根最速と言われた男

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カウンターが刻々と時を刻み、スタートが迫る。   「あのロードスター…峠仕様の足周り重視か。後半は厳しくなるな…。出来るだけ早めに決着付けないとまずい、か…」   勝負を前にイメージを確認するエンペラーこと藤堂功一。   「カメオだと?そっくりそのままアンタに返してやるぜ!エンペラー!」   もはや戦略関係なし。まさにがむしゃらな白河瑞樹……     …しかし、この2人の正反対としか言えない心理状態がこの後、誰も予想しなかった展開へとバトルを引きずり込むことになる!       スターターが手を振り下ろした。       「悪いな。俺はこのR33といくつもバトルをこなしているんだ。勝たせてもらうゼ!」   ハイパワー+4輪駆動の恩恵を得て1.5tのR33がはじけるように飛び出していく! 引き換え、ロードスターは車重こそ1tを切っているものの、エンジンはほぼノーマルであり、スタートではその非力さが目立つ。   「逃がさんよ~!」       緩く右に回り込む1コーナーを過ぎ早速ストレートに差し掛かる。   (こっちの車重が後半きいてくるのはわかってるんだろ?どうせそっちは前半温存をかまして後半勝負!ってとこだろ?お見通しだぜ!)   ヘビー級の車での勝負では定番となる戦略を考えるエンペラー。当然、定番な戦略だけに瑞樹もそうくると読み、このまま逃げ切るべく前方に意識を集中させるエンペラーだった。   普通ならば、このまま勝負は決まる。       そう、普通ならば…
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