ep01 早く起きた朝は

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  zzz~    zzz~     そこは山の麓の閑静な住宅街ーー の1番隅に位置するマンションの一室。 壁紙は白色で、とても清々しい感じの部屋である、が、床には雑誌が散乱し、そこら中にネジやナットが転がっている。   目覚ましがなる。   「…何故だぁ、何故休日なのに目覚ましが鳴るぅ~」       俺の名前は白河瑞樹。 21歳独身の普通のサラリーマンだ。 趣味は車の運転、車いじり、車の話、車の…etc. まぁ、車一筋の健全な車馬鹿だ。     そして今日は休日。 本当はもっと寝ている予定だったのだが……思わぬ妨害を受けた為、やむなく予定を変更する。   (天気もいいし、ちょっと流してこようかな…)   俺は軽い朝食と身支度を済ませ、愛車のキーを手に部屋をでた。     このマンションには、建物の隣に屋根付きのガレージが完備されていて、車好きには嬉しい住居である。   その中のひとつのシャッターをあける。   小型ながらも、しっかりとした存在感を発するそれは、深緑に朝日を反射させ俺を迎えてくれる。   「お待たせ、ロードスター。行こっか」   ガレージに足を踏み入れる。  
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