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結局学校への言い訳は「伯父に呼ばれてた為」とした。
仮病を使えば外を歩き回れ無い。
今日はスーパーの安売りの日だ。
行かない訳にはいかない。
幸い何度か伯父に呼び出され、学校を早退した事がある。
学校も伯父がそんな人だと知れ渡っているし、学園長、理事長ともに伯父の旧知。
文句を言える人はいない。
簡単に休みを認められて、亜莉朱は何だか附に落ちないが何時もの事なので諦めておく。
だが学校に伯父に会うと言ってしまっているので、ちょっとでも会わなければと亜莉朱は気にしていた。
亜「仕方無い…行くか。」
そう言って亜莉朱は制服から私服へと着替え、靴を履いた。
亜「それじゃあ行って来ます。」
言っても返事が帰ってくる事は無いが毎回出るときは言う。
もう癖になってしまっている。
母は何をしてもあまり怒らない人だったが、挨拶だけは煩い程言っていた。
あの時も、亜莉朱に言っていた。
『いい?いってきますとただいま、こんにちは、おはようございます、頂きます、ご馳走様はしっかり言うのよ。有難うございます、もね。』
優しく微笑んでいた母。
その数時間後には母も父も兄もいなくなった。
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