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ギィィィィ
と蝶番が錆びた音を出し、本邸の玄関ドアが開く。
水鳥川「では。旦那様はいつものように自室にいらっしゃると思います。」
亜「ありがとうございます。」
亜莉朱は水鳥川に会釈し、伯父の元へと足を進めた。
二階へ上がり廊下の中程、大きな二枚扉がある。
伯父の自室だ。
先ずはノックをする。
すると中から声が聞こえる。
「入りなさい。」
亜「失礼します。」
亜莉朱が扉を開け中に入ると、伯父が窓辺に立っていた。
亜「お久しぶりです。晃(あきら)伯父さん。」
晃「久しぶりだね亜莉朱。元気だったかい?」
亜「はい。…あの伯父さん…」
晃「分かっているよ。今朝のニュースだろう?私も見ていたが、亀くんが頑張ってくれているんだ。私達は結果を待とう?」
亜「はい…」
言わずとも分かっていて、最良の判断をするのが伯父だ。
とても心強い。
さてもう一つ、話したい事を言わなくては。
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