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妹が小3の時
症状はまた悪化した
神経系に鈍りが出て来た
大きい感触はわかるのだが小さい感触があまりわからない
左半身に虫がとまったとしてもその感触がない
食事の時には口の横に付いた米粒の感触がわからず母によく取ってもらったりしていた
僕はそれを黙って見ていた
自分には障害者の妹がいる
受け止めたくなかった
それが恥ずかしくて仕方なかった
今思えば最低な感情なのだが学校で妹だと知られたくなかった…
妹にとって嫌いな運動会がやって来た
「お兄ちゃん…」
出番を待つ妹と目が合う
僕はそれをスルーしては友達と話をしていた
わかっていながらスルー
最低な行為…
「ははは…何だアレ!」
友人の笑い声に僕は見てみた
「あ…」
それは妹の学年での競技
「ウサギ跳び競争」
だった
左半身が不自由な妹は座りながら飛ぶという事が難しかった
ゆえに中腰で跳ぶ格好になってしまっていた
「…」
それを見た僕は何とも言えない状態だった
「あれさぁ?妹だろ?」
そんな友人の言葉に返事は出来なかった
僕はそんな恥ずかしい兄になってしまっていた
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