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当時の医学ではMRIと言う優れた機械などなくレントゲンで診察をするしかなかった
「脳の中の細い血管に血液が詰まっているのだろうが…
今のレントゲンの技術では写らない」
それが医者の判断だったと言う
場所がわからない状態で手術は出来ない
と言う事だ
母は頼んだ
「女の子なので…何とか…」
妹の将来を考えた言葉だったのだろう
何とか治す方法を医者に求めた
「この紹介状を持って行くといい…」
もっと大きな病院へ
もっと設備のある病院へ
そんな医者の配慮に母は感謝をした
翌日…
母は妹の手を握り病院を訪れた
「岩手医科大学」
当時では最先端の医療設備と言われたこの病院
ここで妹は病と闘う事となる
「長い闘いになると思います
娘さんも…そして家族の方も…
頑張りましょう」
そんな言葉を母は心強く感じた事だろう
僕達家族…
妹の闘病生活が始まる
しかし妹の笑った顔には…
すでにヒキツリの症状が出ていた
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