第1話 始まりはサイアクと共に…  

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しっかし、朝っぱらから気味が悪い。 昨日観たB級ホラー映画がやばかったのかな? と、物思いにふける間もなくガタガタと揺さぶられる蓋で現実に戻された。 ヤバい…まじめに怖くなってきた。 助けてママン(このあたりまだ余裕があるのかっ!) 「こらぁ!何故に余の呼びかけに答えんのじゃ!」 もうダメだ。完全に聞こえるよ。 夢だと思えるほど私はコドモじゃない。 すべてを受け入れるほどメルヘンチックでもないけど。 「さっさとこの聖扉を開けるのじゃ」 「はいはい。分かりました分かりました」 じゃ、じゃとうるさいオッサン(こんなだみ声でイケメンのはずない)に言われるまま、ふたたび便座蓋を嫌々…本当に嫌々開けた。 すると この場所に絶対ふさわしくない程の光に、せまい(よけいなお世話)トイレ内が眩しく包みこまれた。
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