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「それが…あなたと雛形さんが話してるところだった…」
そう言って夏樹を見た。
「あの時は…たまたま彼女を追っかけて屋上まで行った。そうしたらあなた達の声が聞こえたわ。」
「これはチャンスだと思ったわ。だからこれを口実に…」
「雛形さんのことを…上の人に報告するってことか?」
ここで夏樹は初めて口を開いた。
「…そうよ、だって彼女は禁じられていることをしたんだもの」
「禁じられていること?」
「自分の正体をバラすこと…」
そう言って坂山はストップウォッチを見た。
「後…3分くらいかしら」
「じゃあ」
夏樹はそこで一旦、言葉を切った。
「…?」
坂山は黙ってこちらを見た。
「じゃあ、坂山さんだって自分の正体をバラしたじゃないかッ!」
「あら、そんなこと?だって…」
坂山はにっこりと笑って
「もうすぐあなたは死ぬでしょう?」
そう言った。
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