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雛形は受け取った解毒薬を使おうとした。
「ひ、雛形さんッ!まだ本物か…」
夏樹は慌てて止めようとした。
「ふふっ…大丈夫よ。それは本物の解毒薬だから。」
夏樹は坂山の方を見た。坂山は傷口をハンカチみたいなもので止血していた。
「ねぇ、雛形さん。もしあたしがあのままナイフを投げていたらどうしてた?」
「…殺してた」
無表情で答えた。
「やっぱりね」
笑いながらそう言うと、坂山は立ち上がり、結んでいた髪を下ろした。
「どう?髪の毛。あなたにそっくりでしょ?」
風になびいている髪の毛は雛形の髪の毛にそっくりだった。
「本当はあなたみたいに下ろしていたかった…」
「でもそれは許されない…」
「どうして?」
夏樹が聞いた。
「私は彼女のバックアップだもの…」
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