殺し屋と言うもの

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「じゃあさ…これで一件落着だよね?」 夏樹は2人に問いかけた。 「……」 だが2人は何も言わなかった。 「何か…あるの?」 「…ううん、何にもないわよッ♪」 坂山は明らかに作り笑いだった。 (雛形…さん?) 次に夏樹は雛形の方を見た。 「帰ろうか…夏樹」 そう言って雛形が立ち上がったが、まだ解毒薬が効いてないのか足がもつれていた。 「だ、大丈夫?雛形さん」 慌てて夏樹は雛形に肩を貸した。 そして入り口まできたところで、夏樹は坂山に声をかけた。 「坂山さん」 「何?」 まだ屋上の手すり付近に立っていた坂山はこちらを向いた。 「髪の毛おろした方が似合うよ」 「…ありがと…」 坂山は大粒の涙を流して笑った。 そして最後に 「さようなら…」 そう小さく呟いた。
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