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朝 陽が登るまで気付かないで
眩しすぎる太陽で水しぶきの様だった
春の訪れを見過ごして
何度この窓辺にもたれかかったのだろう
すこしのカーテンを装い 空を飛ぶビニール袋を眺めていた
小さな虫に
長い紐を結び付けて
飛ばし飛ばし
わたしの見た事も
聞いた事もない街で
世話になっている虫の…
虫の夢をみた
いつかの思い出を笑って語り合える日が
ゆっくりでもいい
戻ってきたりはしないかと
肘をつき 空を見上げる
カーテンの中は
夏の暑さのように
先ばかりを気にしていた
ぼくらがいつか
プライドを捨てて
窓を開けて歓びを分かち合える日が
顔を出す日まで
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