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準備も終わり、先生が指揮台に立つ。
すると、すぐに演奏が始まった。
他の曲の演奏中は、照明が眩しかったことぐらいしか、正直覚えてない。
演奏は順調に進み、次はテキーラの番になる。
1番練習したから、それなりに吹けてる気にはなっていた。
そして、いよいよ立つタイミング。
『よし、うまく立てたっ!!』
なんか気分がいい。
みんなが俺を見てる気がする。
気分も良くなり、周りを見渡すと、
『あれ?みんなもう座ってる』
最悪な事に、俺は座るタイミングを間違えてしまったのだ。
幸い、隣に座っていた【静代】も立っている。
俺達2人は、ただ伸ばすだけの音を、立ったまま演奏してしまう。
『やっちまった……』
本当に恥ずかしい。
こんな時に、笑いの神はいらない。
そう思った。
ただ、本当に堂々と立っていたので、お客さんはわからなかったはず。
せめて、そう思いたい。
そして、フレーズが切れるタイミングで、やっと座る事が出来た。
終わった後、色々な人にからかわれたが、俺の初めての本番はこうして終わった。
初めての本番も終わり、この後は全国大会に向けて、いよいよ動き出す。
まずは夏のコンクールだ。
そして、この頃ぐらいからあの小さい先輩を好きになっていた。
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