第5章:1年夏

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初めての本番が終わり、コンクールまでの間には、様々な本番を経験する。 その間をぬって、3泊4日の夏合宿も行われた。 俺達、男子部員は、合奏場として使っていた大広間で、雑魚寝同然でみんなで寝る事になっていた。 いつもはすぐに起きるのだが、最終日の朝は、みんなすぐに布団から起き出さない。 疲れではない。 血気盛んな年頃の男子高校生が、4日も我慢したら……。 そんなこんなで毎日厳しいながらも、楽しい日々を過ごし、予選に向けて猛練習していた。 毎日、同じ時間を、同じ仲間達と過ごしていく中で、やはり男と女。 中には付き合う人達も出てきた。 同じ学年同士、先輩と後輩、色々な組み合わせがあったのだ。 同じクラスの打楽器パート【ミナ】もその一人だ。 歳を取ってから一緒に飲んだ時には、 「あの時、何で付き合ったかわからない」 そんな感じの事を言っていた。 先輩という響きに憧れてしまう年頃だ。 ある程度は仕方がない。 ちなみに俺はと言うと……。 もちろん、あのちっちゃい先輩に告白をした。 付き合ったとは言えないぐらい短い間だったが、一緒に帰ったりしたのだ。 でも、それ以上は何もなく、すぐに終わってしまった。 こういう事もあったので、休みがない厳しい部活だったが、不思議と苦には感じなかった。 そして、いよいよコンクール予選が近付いてきた。
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