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今は無いのかも知れないが、当時の都立高校には【学区指定】というものがあった。
その地域の人は、決められた学区内の高校しか選べないというルールだ。
たしか、俺の学区は【第7学区】だったと思う。
その第7学区の中でも、中の下ぐらいのランクの高校に俺は入学した。
サッカーとかで、途中から出てきては大活躍をする選手を【スーパーサブ】という。
当時、俺は、このスーパーサブというものに憧れていた。
一度出した願書を、違う高校に出しに行くと、ちょうど体育の授業でやっているサッカーの試合の後半ぐらいに戻ってこれる。
『俺もスーパーサブになれるんじゃね?』
そう思い、ただそれだけの事で、志望校を変えてしまった。
学力的には、もっと上の高校に入れたが、スーパーサブになるための願書差し替え、この行動をしたいがために、その高校に決めたのだ。
入学して少し経った時に、新入生を対象にした【部活説明会】が行われた。
中学時代に、陸上部やラクビー部をやっていた俺は、高校では部活をやるつもりはない。
後で自分達も経験してみてわかるのだが、なんとか新入生の気を引こうと、本当に色々な事をやっている。
ただ、その時は、そういう人達を冷めた目で見ていたのを覚えている。
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