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そんな中、本番3日前ぐらいに、顧問と講師に呼ばれた。
「申し訳ないが、今回は出場を諦めてほしい」
やはり、サポート的な要員が必要との事だった。
俺は心が折れそうになってしまった。
正直、気持ちの切り替えなど出来やしない。
「なんで俺が?」
率直な気持ちだった。
俺は、誰よりもマーチングを勉強したし、誰よりもマーチングを好きな自信もあった。
ただ、この大会を勝ち上がれば次の全国大会には、俺も出れるはずだ。
そう思い込むようにして、俺はサポートに回った。
本番当日。
始発で、会場の【有明コロシアム】に行き、外の練習会場の場所取りや準備をする。
直前の練習を終え、先生やみんなは会場に入っていった。
練習を休んでたりしてたメンバーも、その時は全員揃って、楽しそうに会場に入っていった。
子供達の晴れ舞台を見ようと、保護者達も会場に入っていく。
俺は一人、みんなの荷物を見張る為、外で待つ事になった。
結局俺は、本番に出る事も、本番を見る事さえも許されなかったのだ。
正直、本当にこの時はきつかった。
本番が終わり、達成感に満ちた顔で引き上げてくるみんなを、俺は笑顔で出迎えた。
その時の俺は、ちゃんと笑えてたのかな?
タイムマシーンがあったら、是非とも見てみたい。
最後に表彰式が行われた。
結果は……銀賞だった。
これだと、次の大会には進めない。
その時に、本当に思った。
「こんな思いをする人を絶対に作っちゃいけない。俺がドラムメジャーになったら、誰一人欠ける事無く、全員で全国大会に行ってやる」
偽善っぽいが、本当にそう思ったのだ。
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