第2章:仮入部

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かくいう俺も、同じクラスにメチャクチャ可愛い子がいて、その子と遊ぶのが楽しくなって、たまに行かなくなっていた。 ただ、その度に色んな先輩が1年生の教室まで迎えに来る。 その日の昼休みも先輩が来ていた。 「今日は部活来るよね?」 あれ? こんな先輩居たっけ? 小さくて、すごい可愛い。 「勿論行きますっ!!」 俺はあっけなく即答。 その日の放課後は、浮かれた気分で音楽室へ向かった。 久々に行ってみると、その可愛い先輩は、クラリネットという楽器の人だという事がわかった。 部の意向として、SAXには男子は1人しか入れないらしい。 希望していた男子は2名。 SAXに入れるのは、あのおっさんみたいなやつか、俺のどっちかだった。 一応、他の楽器も、もう1回やってみようという事で、クラリネットへ回された。 そして、そこで、あの可愛い先輩が教えてくれた。 「この楽器は黒いSAXだよっ」 俺の楽器これがいい。 この先輩と同じがいいって安易な理由。 でも、この言葉。 今でも忘れない。 今だったら、そんなはずないじゃんって思えるけど、何にも知らなかった当時は、本気で信じてしまったのだ。 その日から希望楽器には、クラリネット以外書かなくなっていた。 しばらくして、俺の楽器が決まった。 黒いSAXこと【クラリネット】だ。 その頃ぐらいから、同じ新入生の仲間とも、少しずつ仲良くなってきていた。
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