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「こんにちわ!」
二人のおばさんがにこやかに声をかけて来た。
「……ども。」
と、僕はちょっとだけ頭を下げた。
(……こういうおばさん苦手なんだよな……。)
翔は嬉しそうにおばさんの一人にしがみついた。
「あのねっ!あのねっ!俺がねっ!俺がねっ!ここの【星の思い出】見つけたんだよっ!」
「あらそうぉ。よく見つけたねぇ。」
おばさんの一人が僕に近づくと、
「ねぇ、この子の名前。教えてくれる?」
と、囁いた。
彼女の方がチョット小柄だ。
「……えっと…翔です。神崎翔。」
「ありがと。」
小柄な方のおばさんは翔の方を向くと、
「翔君、【星の思い出】は10歳にならないと使えないんだけど……?」
「えっ!?ウソッ!?」
翔は顔に“ショック”と書いて固まった。
「だからさあ~《ティンカーベル》で遊ばない?」
「え~っ!どうしよっかな~っ!」
口調とは裏腹に、翔はなんだか嬉しそうだ。
「ここにいてもつまらないよ?」
「う~ん……。」
(やっぱり嫌なのかな?いじめられたって言ってたし……。)
(でも……翔がいるとゆっくり検索出来なさそうだし……。)
「……翔…《ティンカーベル》で遊んでな。帰りに迎えに行ってやるから」
(やっぱり子守しながらは……キツいし……)
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