プロローグ

2/5
前へ
/34ページ
次へ
それは突然の電話から始まった。 その日は久しぶりの休日で、リーグ戦もプロ同士のセットもなく、完全なオフである。 とはいえ唯一の趣味であった麻雀を仕事にした身。これといって気のきいた休日の過ごしかたを心得ているわけではない。髪を切って、池袋の街をぶらぶら歩いた。東急ハンズで買い物をして、ジュンク堂で新刊を立ち読みしたところで、やることが無くなった。少し薄暗くなってきた夏の夕暮れである。まだ寮に戻るには早い。 少し時間潰しに満喫でも行くか。それとも安いフリー雀荘でも冷やかしてみようか。そう考えた時に、携帯が震えて着信を知らせる。 バイトちゃんからの電話だった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加