春休み

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カラオケに着くとみんなが奈々コールを始めた。 『奈々★奈々★奈々………』 (コレ歌わないと終わらなそう… 場の空気が壊れるのも嫌だし…) 奈々は最近気に入っている曲名をあかりに告げた。 『了解!!』 …~♪ イントロが流れ始めると奈々コールは収まった。 お気に入りの曲が体に染み込み 周りからの視線も気にならなくなっていった…。 ♪~… (あれ?歌い終わったのに… やっぱ私下手だよね…。) 「…-ッごめんね!!下手だッ……」 『……うまっ』 奈々の謝罪を遮るように敬は言った。 奈々はその言葉が信じられなかった 「…え?」 『奈々かなりウマくない!?やばっ感動してんだけど!!』 ――キュンッ 『でしょ~♪奈々は将来歌手になった方良いと思わない!?絶対売れるよね!!』 あかりの言葉に2人は頷いた。 『奈々ッ!!みんなが奈々は歌手になった方が良いって!!頑張れ!!』 『奈々!!応援すっからなぁ~』 ――キュンッ (なんだ!?さっきから胸がキュンとなる… それも敬の言葉にだけ…キュンとなる…) 奈々は隼人に振られてからずっと感じるコトの無かった胸の高鳴りに戸惑っていた。
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