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「さっきはごめんね!!変なモノ見せちゃって…」
掘り出したくない話だけど謝りたかったんだ。
『あ?あぁ!!全然大丈夫だょ!!気にすんな!つかちゃんと捕まっとけょ!』
(優しいなぁ…)
私は日に日に敬を好きになっていくのが分かった。
『奈々はさぁ…』
「え?」
いきなりきりだした敬の声がいつもより低いのが分かった。
『やっぱなんでもねぇ!!』
「えっ?なに?気になんじゃん!!」
『なんでもねぇ―ッタ!!』
正直に言わない敬の背中を私は軽く殴ってやった。
『殴ることなくねぇ~?』
「正直に言わないとまたやっちゃうよ~」
『分かった分かった!』
コホンと咳払いをして少し照れたような声で
『奈々は……好きなヤツとか居る?』
「…えッ!?
んと-…」
思ってもみない言葉が敬の口からこぼれたため奈々は言葉を詰まらせた。
『困るよなッ、こんな質問』
「―…ッ」
本当は「居るよ!!」って答えたかった。
でも敬がどうしてそんなコトを聞いてきたのか頭で考えてたら…
うまく言えなかったんだ…
それから家につくまで2人は言葉を交わすこともなく、奈々は家の中へ、敬は来た道を戻っていった。
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