明美

11/12
前へ
/175ページ
次へ
それでも学はこの状況が我慢できなかった。 「先生、明美はヤバいんですか!?今朝はなんともなかったんですよ?」 「…」 紅い雪の降る音が保健室にも聞こえてくるようだ。 「…症状は、熱中症よ。」 先生が重い口を開いた。この先生の他のセリフを聞いたのははじめてな気がする。だが、喜べない。 「なっ?熱中症??今冬ですよ?なんで熱中症に?」 「分からないから救急車を呼んでいます。熱中症にも、わかりやすく言うならレベルがあって、明美さんの症状のレベルはかなり危険なレベルです。多分死ぬ事はないでしょうけど、手当てができないなら悪化するかもしれません。まさか熱中症な訳ありませんから …だから救急車を呼んでいます。」
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

908人が本棚に入れています
本棚に追加