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しかし、そのカップルが来た途端、私は、固まってしまった。
それは、どうしてかと言うと、
女の方は、少し仲の悪いクラスメート相田 美鈴【あいだ みすず】で、
男の方は、元彼の早乙女 悠司で、最も会いたくない2人だったのだ。
“何で!?何で、悠司が来るの!?
会いたくなんかないのに…しかも、何で、美鈴と一緒なの!?”
私は、そう心の中でつぶやきながら、すごく不機嫌な顔で、2人をじっと見つめた。
その時、悠司が、私に近づいて話し掛けてきた。
『彩音…、俺…。』
『何よ!!』
『俺、あの時、すげぇ、悪いことしたと思ってる…。本当に…ごめん…。』
私は、悠司に話し掛けられて、ますます不機嫌になり、悠司を無視して、
イライラしながら車に乗った。
私が、イライラしてるから、みんな何も話さなかった。
美央や正輝達には悪いと思ったけど、悠司が、すぐ傍にいると言うだけで、
私には、とてもじゃないけど、楽しむ気にはなれなかった。
“何で?何で、平気な顔して話し掛けられるの!?
信じられないよ!!”
私が、心の中で、そんなことを考えてると、
正輝が、助手席で、私のことをじっと見つめていた。
私は、運転しながら、横目で、正輝に微笑んで見せた。
正輝は、そんな私を不思議そうな顔をして見てきた。
『なぁ、あの早乙女とかいう奴となんかあったの?
お前が、そこまでなるってよっぽどなんだろ?』
正輝は、後ろに聞こえないくらいの小さい声で問い掛けてきた。
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