第一章

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アイツと出会ったのは、高校1年生の時だった。 私が、アイツに気付いたのは、高校に入学して1週間後のことだった。 私は、いつものように、最寄りの駅である三軒谷駅から電車に乗り、同じクラスの友達と合流して、学校へ向かっていた。 私の乗る三軒谷駅から、5つめの駅である滝本駅から、アイツは乗ってきていた。 でも、その日までは、全然興味もなかったし、アイツの存在すら知らなかった。 アイツは、入学してすぐに、陸上部に入ったらしく、その日から、駅から学校までの30分間の道程を走ってトレーニングしながら向かっていたのだ。 その時は、何やってるのかさっぱり分からなくて、友達と笑い合ってたけど、あとで聞いた話では… 走り高飛びのトレーニングをしながら、学校へ向かっていたのだ。 最初は、《何で、変な動きしながら、走ってんだろう!?》とかって、バカにしてたけど、 毎日欠かさず、人目も気にせずトレーニングをしているアイツを見て、少しずつ、心惹れていった。 でも、アイツとは何も話すこともないまま、気が付くと2ヵ月が過ぎていた。
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