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彼は、二学期の始業式の日に、転校生としてやってきた。僕はもちろん、彼も僕の駒にしようと彼に近づこうとした。
しかし僕は、彼と最初に目があった時、心臓が大きく跳ね打つのを感じた。彼に目を見られた時、自分の心の壁を全て壊されたような錯覚に陥ったのだ。その後も僕は、彼と目が合う度に気が滅入りそうになった。
彼と僕はすぐに仲良くなった。いつの間にか話の輪の中心は彼の机になり、自然と彼は他の級友たちの中に溶け込んだ。ただ、僕だけが彼を他の者と同一に思えていないようだった。
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