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とりとめのないことを考えているうちに、大分気も落ち着いてきた。最後に深呼吸をし、ゆっくり目を開ける。赤く染まった磨りガラスの窓が目に入った。いつの間にか日が短くなっている。
僕はコップを軽く濯ぎ部屋に戻ると、ベッドの上に寝転がった。スプリングのない固いベッドだ。
そして、僕は思考を再開させた。
大事なのは、あのような異常な感情に振り回されることがないようにすることだ。とにかく、あの時の僕は異常だった。僕は自分が堕ちていくようで怖かった。
ある意味では、あの感情もまた、彼からの敗北と言えるのではないか。彼の知らないうちに、僕は彼に負けているのだ。僕はこれ以上彼に劣等感を覚えたくなかった。
僕はこれからも彼に指摘していこうと思った。都合の良いことに、彼の生活態度にはまだまだ改善点がある。そうすることで、僕はあの感情を克服したいと思った。それはただの自己満足でしかないかもしれないが、今までの努力をこんなことで崩すようなことはしたくなかった。
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