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 その後も僕は彼に数々の指摘をしたが、彼が僕の意見を聞き入れることはなかった。初めから分かりきっていたことだ。しかし、最初に指摘した時、僕に湧き上がった感情は、二度目の指摘の時点ですでになくなっていた。  やがて僕は、彼に指摘をしなくなった。その必要がないからだ。    そんなことを繰り返しているうちに、僕は三年生に進級した。一年後には高校受験を控えることになる。僕にとっては初めての受験だったが、特にそのことを意識せずにいつもと変わらない生活を続けることになった。他の生徒にも受験という意識は全くないようだった。
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