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「貴方は魔族とか天使とかいると信じてる?」
「は?」
再びの藍架の突拍子の無い質問に、市橋は間の抜けた声を出した。
「いると思う?」
「……微妙…かな。
見たことないし。」
真剣な表情の藍架をみて、市橋も真面目に答える。
「…まぁ、そうだよね。
この世には世界が3つあるの。」
「…3つ…?」
「そう。
貴方達、人間だけが住む地上世界。
神様を始めとする、天使達が住む天界。
そして…」
藍架は此処でわざと間を置いた。
市橋はゴクリと唾を呑む。
「魔王を始めとする、魔族達が住む魔界。
これらの3つの世界よ。」
「…それって…所謂パラレルワールドってやつか…?」
「少し違うわね。
パラレルワールドっていうのは、完全に別の世界でしょ?
でも、これらの3つの世界は、それぞれ繋がっているの。
手順を踏めば、行き来は可能よ。」
市橋は藍架の話を信じれなかった。
いや、信じることができなかった。
信じてしまえば、藍架が魔族か天使だということを認めなければならないからだ。
「信じれないでしょ?
私はね、 「待って!」 」
藍架が自嘲気味に笑いながら何かを言いかけると、市橋が止めに入った。
「なに?」
「いや…その…」
言われてしまえば、もう自分の中でも否定することは出来なくなってしまう。
だから、止めてしまったのだ。
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