第二章 少女の秘密

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「貴方は魔族とか天使とかいると信じてる?」 「は?」 再びの藍架の突拍子の無い質問に、市橋は間の抜けた声を出した。 「いると思う?」 「……微妙…かな。  見たことないし。」 真剣な表情の藍架をみて、市橋も真面目に答える。 「…まぁ、そうだよね。  この世には世界が3つあるの。」 「…3つ…?」 「そう。  貴方達、人間だけが住む地上世界。  神様を始めとする、天使達が住む天界。  そして…」 藍架は此処でわざと間を置いた。 市橋はゴクリと唾を呑む。 「魔王を始めとする、魔族達が住む魔界。  これらの3つの世界よ。」 「…それって…所謂パラレルワールドってやつか…?」 「少し違うわね。  パラレルワールドっていうのは、完全に別の世界でしょ?  でも、これらの3つの世界は、それぞれ繋がっているの。  手順を踏めば、行き来は可能よ。」 市橋は藍架の話を信じれなかった。 いや、信じることができなかった。 信じてしまえば、藍架が魔族か天使だということを認めなければならないからだ。 「信じれないでしょ?  私はね、 「待って!」 」 藍架が自嘲気味に笑いながら何かを言いかけると、市橋が止めに入った。 「なに?」 「いや…その…」 言われてしまえば、もう自分の中でも否定することは出来なくなってしまう。 だから、止めてしまったのだ。
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