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ふとサディアが立ち上がってフォルクスを拘束していた縄をほどいた。そして自分の真正面の席の椅子を引き、フォルクスを座らせた。
「さて、パーティーの仕切り直しだ。フォルクス様、何になさいますか?」
フォルクスが怪訝そうな顔で菓子を見やるとサディアはしかめっ面をした。
「毒なんて入っていませんよ、貴方じゃあるまいし。さて、何になさいますか?」
「…じゃあ、そこのチョコフォンデュ…」
「かしこまりました。すぐに持っていきましょう」
頭にクエスチョンマークが浮かぶフォルクスにミリアがクスクスと笑って話しかけた。
「サディアさん、最初からフォルクス様のためにパーティーの用意をしていたんですよ。フォルクス様はいつもこの時間に休憩されると言って…」
その後に聞いたミリアの言葉にフォルクスは思わずサディアに抱きついた。
サディアはしかめっ面だったが、フォルクスは笑顔だった。
『サディアさんはフォルクス様が大切なんです』
さあ、みんなで楽しいティーパーティーをしましょう。
もちろん貴方もご一緒にーーーー。
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