ご挨拶

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こちらに走ってきたのは青年・・・というより少年と言った方がしっくりくるようなかわいらしい感じの男の子だった。 坂下と並ぶとすごい身長さがありまるで兄弟のように見える。 「あ~あ、ホント無駄足だった~。俺ぜってぇービビって裏門から来ると思ったからそっちまで行ったのにさぁ」 「・・・“ビビる”?」 あたしはその言葉に思わず聞き返した。 「んぁ?あぁ、だってここ男子校じゃん?そん中突っ込んでくるのってけっこう勇気いるじゃん。白凰のやつらにそんな根性ゼッタイ無いって思ってさー。だって金持ちってだけでただのバカ女学園じゃん」 「悠!!せっかく来てくださったのにそんな失礼なこと――――すっすいません;;」 「・・・・ちょっと!!!!! バカって何よ!!バカってそれ はこっ―――もがっ!?」 慌てた美紀が後ろからあたしの口を手で押さえ小声で話した。 (アリス!!いきなりキレてどうすんのよ!今日は話し合いに) (だって美紀!!あんな事言われて黙ってられんの!?) あたしは美紀の手をどけながら同じく小声で話した。 「??何コソコソ話してんだよ?ったくさぁ~お嬢様のクセに躾はされなかったってわけ?失礼な連中だよなぁ」 ブチッ! 「あんっっったにだけは言われたくないわっ!!!失礼なのはどっちよ!!ったくこの学校はどういう教育してんのよ!信じらんない!!」 「「・・・」」 あたしの目の前で固まる坂下と遥。 そしてあたしの横で 「はぁ。こりゃダメだ・・・」 「あっアリスちゃん;;」 「・・・・」 頭を抱える美紀。 事の成り行きを心配する薫。 無言の裟雪。 あたしは・・・ 一度つっぱしるととことん暴走し周りが見えなくなる厄介な性格だ。
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