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―タッタッタッ―
はっ、はあ、はあ、何とか間に合ったか。
「直哉、遅れて悪い!」
少々、膨れっ面になってしまった直哉を宥める。
「本当だよ、待ちくたびれちまったよ。」
この暑さの中でずっと立って居たのだから当たり前だ。
「本当に悪い、同じクラスの生徒会長に捕まっててさ。」
急に何か思い当たる事があったのか、ニヤニヤし始める。
「ふ―ん、翼と石川って本当に仲良いよな。お互いに好きなんじゃね―の?」
突如聞かれたその言葉に焦ってしまった。
「な、何で、俺があんな強情な奴と付き合わなきゃなんだよ!ただの、腐れ縁だよ腐れ縁!」
翼は半ば腹を立てて否定した。
「でも家も近所だろ?俺は、残念ながら二年のクラス替えで、一組から二組になっちまったけれど…。端から見てて、結構相性良いと思うけれどな。」
「あはは…。」
確かに、嫌いじゃないけど、あんなに強がりな奴は、な…。
「まあ、とりあえず、旧校舎に潜入しますか?」
「了解。」
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