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城に戻り、ラフェルを寝かせたコールは年下の同僚2人を睨んでいる。
「だって、お前が1番知ってるだろう。
説明するなら、適任・・・」
果敢に立ち向かうユアンだが、声が尻すぼみになる。
呆れたようにため息をつき、コールはティエラに向き直る。
「・・・ここから先は、国内でも上層部しか知らない。
ティエラは、はっきり言って関係ない。
関わるのなら、それ相応の覚悟をしなければならない」
「・・・それは、人を殺す覚悟よりも、重いのか?」
ティエラの鋭い言葉に、コールはなるほどと頷く。
「では、覚悟は?」
「なければ聞かない」
きっぱりとした返答に、コールは2人を振り返る。
2人は頷く。
コールは椅子を引っ張って来てティエラに座るように促す。
「・・・聞いたらしいね。
ラフェルが、誰か」
「伯爵は、ラシェア王女だと」
「そうだよ。
王太子ラフェル・ギルバート・カルクタニアの双子の妹、ラシェア・エラニア・カルクタニア王女だよ」
その肯定に、何故、と瞳で問う。
「王太子は、ラフェル、いや、ラシェアよりも・・・はっきり言ってバカなんだよね」
軽くあっさりとした言葉に、ティエラだけでなくユアンとセレオまでずっこけそうになった。
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