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ラシェアの元に、セレオの情報が入ったのは、冷戦勃発から1週間後だった。
「何をやってるの・・・。
セレオ」
色々と理由をつけて呼び出したのはセレオだけではない。
コールとユアンも呼び、全員でお茶会じみたことをしていた。
「・・・腹が立ったんですよ。
グランやガイルがバカにされた感じがして・・・って、何だっ!」
拗ねたように呟くと、コールが頭を撫でてユアンが肩を叩いた。
「いや、まだ16なんだなぁと・・・」
「激しく同感」
ユアンはともかく、子供扱いのコールには軽く腹が立ったらしい。
「・・・・・・童顔に言われても」
『あっ』
ドゴッ。
禁句を言ったセレオの頭に、コールの肘がヒットした。
ラシェアとユアンは痛みに悶えるセレオを、呆れ気味に見つめる。
ユアンよりも年下に見えかねないコールは、童顔を気にしていた。
それを指摘するのは、命取りになると暗黙の了解で口にしないと決めたのだ。
「セレオ、何か言う事は?」
「・・・・・・・・・申し訳ございません」
「よろしい」
上下関係がきっちりしている2人を見て、ラシェアとユアンは紅茶を啜りながらしみじみと想った。
((・・・何か、兄弟みたい))
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