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「おはよー!」
元気な声で教室で寝ている俺に話しかけてきたのは、秀だった。
朝から騒がしいのはこりごりで俺は寝た振りをしていた。
授業中は寝て、昼飯食べてまた寝る…。
帰っても寝るだけだった…
毎日が同じように過ぎていくと、そう思っていた。
でも次の日があんなに悲しい日になるなんて思わなかったんだ。
その日の帰り道、秀とは方向が同じだったので一緒に帰る。
「亮はよく寝るよな」
亮は俺の名前。
「特技だからな」
「虚しい特技だな(笑)」
「ほっとけ」
自分でもわかってる。
秀がうつ向いていた。
「どうした?」
「いや、何でもない」
気が付かれたからかすぐに明るい顔に戻っていた。
この時にもっと突っ込むべきだったんだ。
でもその日はそのまま秀と別れた。
俺は
「じゃあまた明日な」
秀は
「…おぅ!」
今日は寝過ぎで話してなかったからな…
明日はちゃんと喋ってやらないと。
俺はそう思って家に帰り、くだらないTVを見ながら寝た。
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