『爆弾を貴方に』

3/6
前へ
/222ページ
次へ
 とか何とか考えていると、目の前をかなりの美人なお姉さんが通り過ぎて行く。  それまで脱力していた私の頭が一気に冴え、背筋を伸ばすとそのお姉さんを観察しだす。  …かなりの美人ですね。  こうなるともう、私の趣味が抑えられません。  即座にベンチから立ち上がると、懐から手榴弾を取り出してお姉さんに近付く。  そうしてから、満面の笑みを浮かべて言った。 「貴方の背中に突っ込んで良いですか?」 「…え?」  不意に言われたので面食らったのか、お姉さんが実に呆けた表情になる。  そこを狙って、再び口を開いた。 「貴方に投げ付けたい」  持っているのは手榴弾、だけどこれはれっきとした愛の告白ですよ?
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加