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私は探しているのです。
…ずっと昔、両親に虐待されていた私を救ってくれた、あの優しいお姉さんを…。
面影も何も、ほとんど覚えていないけれど。確かにそのお姉さんは存在します。
両親に虐待され、痛みに耐える幼い私を、いつも身を挺して庇ってくれたお姉さん。
私を両親から引き離してくれて、突然いなくなったお姉さん…。
その日から、一度も逢う事はなかった――。
「あの…」
目の前のお姉さんが、困惑した表情を見せる。と、それを見て更に言ってみる。
「良いですか?」
「……こ、困ります」
沈黙の後、そう答えるお姉さん。
視線を、私が持っている手榴弾に集中させているのはバレバレですね。
まぁ、この人も私が大好きだったお姉さんとは違うという事ですか。
「…世界は壊れろ」
「…は?」
懐から大量の手榴弾を取り出すなり、お決まりの台詞を吐く。
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