序章 赤き剣士と黒き魔導士

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それを聞いたアルスはすっと席を立ち、そのジェラルド兵に向かう。 「ま、まさかお前」 フォルツはすぐにアルスの後を追った。 「イカれた野郎で悪かったな」 ジェラルド兵の肩を掴んで言うアルス。 「なんだお前?」 肩を掴まれたジェラルド兵がそう言うと、一緒に酒を飲んでたジェラルド兵だけじゃなく、店内にいる全てのジェラルド兵が剣を抜いた。 「俺は剣聖の名を継ぐ者だ。何人たりとも剣聖の名を侮辱する奴はブッタ斬る」 アルスも剣を抜いた。 「待て待て、待って下さいって」 フォルツが間に入る。 「フォルツ、邪魔するな」 「馬鹿、ジェラルドなんかに手出したら大変だぞ、ここは俺に任せろ」 フォルツは小声で言った 「いやあ、すみませんねえ、こいつ酔っ払っちゃてまったく」 フォルツは明るく振る舞う。 ジェラルド兵達もそれを見て少し戸惑う。 「こいつにはちゃんと言い聞かせときますから今日のところはこれで」 フォルツはアルスが肩を掴んだ兵士にこっそり金貨3枚を渡した。 「ふん、まあいい、今日はせっかくの休暇だ。見逃してやる。だが次はないぞ」 そういうとその兵士は剣を収める。 それを見て周りのジェラルド兵も剣を収めた。
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