はじまり

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200X年四月 開成高校は入学式の日。   新入生達が自分のクラスを掲示板で確認している。   「3組かぁ…」 ある男もそれを確認していた。     男の名は竜野龍平(たつのりゅうへい)。 身長184cmと高校1年生にしては大きい方である。   見た目は真面目とは言えない。服装も少しだらしない感じである。   生徒たちはそれぞれの教室に移動した。     ~3組の教室~ 「今日から君たちの新しい人生がスタートする。勉強を頑張るもよし、部活を頑張るもよしだ。とにかく悔いのない高校生活を送ってくれ!」     先生が元気よく新入生に声をかける。   「部活か…」 龍平が物思いに老ける。     龍平は中学の時はバスケ部だった。チームは上位に振るわなかったが龍平はキャプテンとして、ポイントゲッターとして活躍した。しかし、高校では文化部に入る気持ちが強かった。     龍平に限らず現在の高校生は運動部に入るか入らないかが激しく別れる。年ごろ的に遊びたい、という気持ちが出てくるからだ。中途半端な気持ちで入る奴はいない。それほど高校の部活は本格的で厳しいのだ。     しかし彼は少し違う。中学の時個人の能力で彼は飛び抜けていた。相手になる者がいなくて、バスケに対して少し脱力感があったのだ。   先生が続ける 「あ~それから明後日は毎年恒例の球技大会がある。バスケ、サッカー、ドッヂがあるから自分が出たいのを決めておけ。明日決めるぞ。」     この学校では毎年新入生、新クラスが仲良くなるために球技大会がある。学校行事にしては本格的な大会らしい。 「球技大会ねぇ…」 微妙な表情で龍平がぼやく。       しかし       この球技大会が後に龍平の高校生活を大きく変えるものとなる。
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