冷たき少女

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 入団初日から二回も説教、ついてないな。しかも眠気が………。  ふとサヤのほうを見てみると真顔で説教を聞いていた。…………いや、真顔じゃなく無表情だった。額からはさっきの戦闘のせいか汗が流れている。大剣はすでに分解したようだ。 「まぁいい。とりあえず待機室に戻るぞ」  そう言うとアルス隊長は訓練場を去っていった。すると周りにいた観戦していた人達も各自の訓練に戻る。 「おまえすげぇな!!」  話し掛けてきたのはジャックだ。なぜかかなりテンションが高い。 「え?なにが凄いの?」 「なにがってサヤと互角だったじゃん!!あいつ隊長の次に強いぞ。俺なんか何度負けたことか」  ジャックの少し悔しそうな顔、サヤに何度も負けたのは事実らしい。 「………まぁいいや。はやく待機室に戻ろうぜ。仕事についての説明もあるだろうし」  そう言うとジャックは俺を引きずるようにして訓練場を出た
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