冷たき少女

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 眠い………。  いきなりこんなこと言われてもわけがわからないかもしれないが眠い。とにかく眠い。眠いったら眠い。 「―――であるからして入団してくれた諸君には――――」  この話、長すぎて退屈だなあ。学校の校長じゃあるまいし、ここまで長くしなくてもいいはずだ。 「配属される隊は合格証書にのっているはずだ。ではこれにて話を終わりとする。諸君らの健闘を祈る」  やっと終わったよ。たった五人のための入団式に一時間ってなんなんだか。早く帰って寝たい。もう昼寝という単語しか頭に浮かばないや。 「これにて解散」  ギルド長らしき人の一声で俺以外の入団者が一斉に散る。 「おいおまえ」 「昼寝………」 「………は?」  しまった。どうやら俺は話し掛けられたらしい。無意識に昼寝と言ってしまった。しかも話し掛けてきた人はギルドの大先輩だ。 「あ、すみません、少し眠くて。」 「ま、まぁいいよ。気持ちはわかるからな。それより早く指定の部屋へ行け。…………お前は四番隊だな、三階の奥の部屋だ。」 「あ、はい。ありがとうございます」  俺は重い目蓋をこすりながらギルド本部に入り三階を目指した。
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