92人が本棚に入れています
本棚に追加
「おいサヤ、遅刻だぞ。今日は新人がくる日だから遅刻はするなと言ったはずだ」
部屋に入るなり低く印象深い声が響いた。声の主は黒く伸ばした髪を後ろでひとつ結わいており、多少口髭を貯えている。いわゆるおじさんだ。
「…………すみません」
「まぁいい、まだ新人も来てないしな………ん?」
やばい。目が合った。多分新人って俺のことだ。
「お前新人か?」
「………はい」
「遅刻だ」
「………すみません」
「………これからは気を付けろ」
そう言うとおじさんは俺から目を離した。
目が合っている時感じた威圧感、多分相当な実力だ。
「おら新人、ボケッとしてないで挨拶しろ。」
「あ、はい。新しくこの隊に入ることになったジーンです。よろしく」
そう、俺の名前はジーン、銀髪にグレーの瞳のいたって普通の男だ。まああまり怒ったりはしないね。怒るくらいなら昼寝してるかな。
自己紹介を終え、改めて部屋を見回すとおじさん以外に三人テーブルを囲んで座っていた。
最初のコメントを投稿しよう!