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上からの斬撃、下からの斬撃、横からの斬撃、いろいろと試してみたが簡単に弾かれる。
そんな攻防が続き徐々に体力が削れていく。張り合いがあるやつが相手だからか俺もサヤも本気になっていた。
「よし、もう終わりだ」
隊長の声が聞こえたが気にしない。今は目の前の敵を倒す。それしか頭になかった。
どうやらそれはサヤも同じようだ。サヤも手を休めることなく斬撃を繰り出す。
大剣と大剣がぶつかる度に火花が辺りに散る。
剣を交えながらチラッと周りを見てみると他の隊の人たちが集まって観戦していた。
「「はぁ!!」」
渾身の一撃、それがぶつかり合い俺とサヤは少しだけ体勢を崩す。
だが俺はすぐに体勢を立て直しサヤに大剣を突き付けた。
「………………」
「………………」
俺もサヤも動けない。俺はサヤの喉に大剣を突き付けたのだがそれはサヤも同じだ。俺の首からは大剣の切っ先が突き付けられ一筋の血が流れている。
一瞬場が凍り付き次の瞬間には歓声がわく。
「気が済んだか?俺の言葉まで無視して続けたんだからな」
「「…………すみません」」
「熱くなるのもいいが平常心を忘れるな」
「「はい」」
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